10月6日                            「あかしの石」
初代文集―
 経験と幻
                 Ellen G. White
  それから、わたしは、立派で気高く栄光に輝いた贖い主
を見た。彼は、残酷なあざけりとむち打ちに耐え、いばらの
冠をかぶり、全世界の罪の重荷を背負って、ゲッセマネの園
で、大きな血の汗を流された。天使は、「これはなんのため
だろうか」とたずねた。わたしはそれがわれわれのためであっ
たことを悟った。彼は、われわれの罪のために、このすべて
の苦しみを受け、彼の尊い血によって、われわれを贖おうとさ
れたのである。
 それから、イエスが父の前で、彼の血と彼の苦難と彼の死が
人々のためであることを訴えておられるとき、また、人々が生
ける神の印wの受けるように、神の使命者たちが彼らに救いの
真理を伝えているときに、滅びようとしている人々に真理を伝
えて、彼らを救うためにこの世の財産を処分しようとしない人々
があるのを、わたしはもう一度見せられた。神からゆだねられ
た神ご自身の財産を使命者たちに手渡すことは、現代の真
理を信じると言っているある人々にとってむずかしいことなの
である。
 イエスの苦難と、人間のためにご自身の生命をおあたえに
なったその深い愛とが、もう一度わたしの前に示された。また、
彼の弟子であると言う人々の生活が見せられた。この人々は、
この世の財産を持っていながら、救いの働きを助けることはあ
まりにも大変なことだと考えている。天使は、「このような人々は
天国にはいれるだろうか」と言った。するともうひとりの天使が、
「いや、決して、決してはいることはできない。この地上におい
て、神の働きに興味を持っていない人は、天で贖罪愛の歌を
歌うことはできない」と答えた。わたしは、神がこの地上でしてお
られる急速な働きは、間もなく速やかになしとげられて、使命者
たちは、散らされた群れをさがし出すために、急いで行かなか
ればならないことを見せられた。一人の天使が、「すべての者が
使命者なのか?」と言った。するともう一人が「そうではない。神
の使命者は使命を持っている」と答えた。
 わたしは、神からの使命を持っていない人々の巡回によっ
て、神の働きが妨げられ、傷つけられたのを見た(付録参照)。
そのような人々は、行かねばならぬ所でもない所へ出かけて行っ
て費やした金銭に対して、神に申し開きをしなければならない。
その金銭は、神の働きに役立ったはずだからである。神に召さ
れ選ばれた使命者が与え得たはずの霊の食物が欠乏していた
ために、魂は飢えて死んだ。わたしは、手で働く力があって働き
を支えることができる人々は、財産を持った人々と同じように、
その能力に対して申し開きをしなければならないことを見た。
                             p117~118